越せぬなら、越してみせよう、大井川
そんなことを言った人が、いるとかいないとか。(いません)
こんにちは、島田市役所広報課シティプロモーション室です。怒涛の更新頻度!なぜならお尻に火がついているからです!!尻も心も燃えています。心を燃やせって、とある人に言われたので。(たぶん日本中言われてる)
前回紹介した「TOURIST INFORMATION おおいなび」が、このたび「おおいなびオリジナルグッズ」を販売開始します!2020年11月にオープンしてから初めて、ここでしか手に入らない商品を開発しました。コンセプトは「旅先で、なにかと便利な」シリーズ。川越人足のように、そっとあなたの旅を支えて、大井川を乗りこなすお手伝いをしてくれるグッズが、2021年4月10日からおおいなびに登場します。
若林夏さんの新イラストもお目見えして、てぬぐい、温泉バッグ、マスキングテープ、飴ちゃんができました。かわいいんですよ~ゆるっゆるで。ぜひ、おおいなびでお手に取ってご覧ください。人足さんがあなたの旅に寄り添いますよ。この中の「旅先でなにかと便利な本染めてぬぐい」の制作過程を取材してきました。手ぬぐいって、実は旅行に持っていくのにすっごくオススメです。吸収もいいしすぐ乾くし、かさばらないし。使えば使うほど生地がやわらかくなって馴染んで、しっくりきます。
武藤染工の「浜松注染染め」
このてぬぐいは、島田市の「きもの処 こんけい」さんの紹介で、浜松市の「武藤染工(むとうせんこう)」さんで染めてもらっています。なんと、ご厚意で染めるところを見学させてもらいました!工場見学って楽しいですよね、むしろ大人になってからの方が楽しい。ずっと「へぇ~」「すごい」しか言ってなかった気がする。もう「へぇ~」ボタンが欲しい。100へぇは軽いと思います。
武藤染工は、浜松注染染め(はままつちゅうせんぞめ)という、伝統的な工法で手拭いや浴衣を製造する、創業60年以上の伝統ある工場です。水が豊富に流れ、強い風が吹く浜松市では、染め物の生産に適した地として職人たちが大正時代に流入し、技術が発展しました。実際に染める流れをご紹介します。
①用意した型紙に糊を付ける
元となる型紙の上から生成りの布に糊を付けて、染まらない部分と染める部分を分けます。ここで、糊がついた部分が染まらないところです。糊がない部分を、染料を使って染めていきます。
②染料を上から注いで染める
浜松注染の特徴なんですが、何枚も重ねた生地の上から染料を注いで染めていくので、表裏全く同じ色に染色することができます。糊がない部分が染まったら、下から染料を抜きます。今回は単色の手ぬぐいですが、何色も染め分けることもできます。ひとつひとつ手作業で染めていくので、プリントとは違うやわらかなにじみがあります。
③清水で洗って、乾燥させる
綺麗な水でざぶざぶ洗います。ざぶざぶっていうかジャッバジャバアアァァ!!みたいな。勢いすごいですよ。近づいたらたぶんスプ〇ッシュマウンテンより濡れます。洗ったら、乾燥室で干します。本当は陽が当たるんですが、この日はあいにくの雨だったので風を当てて乾燥しました。けっこう短時間で乾きます。手ぬぐいですからね。よく吸うし乾きも早いです。
言い忘れましたが、まだ全部つながっています。このとき一疋(いっぴき=二反分。一反=約12m)を折り返して染めていき、乾燥までした後に裁断します。なので乾燥室は天井10m以上!そこにたくさんの手ぬぐいがかけられて、乾かすところは圧巻です。
できました~~!!!できたてほやほやの手ぬぐいですよ~!!
(本当は、このあとちゃんと仕上げ加工しますので、しわしわはとれます)
今回も、イラストは若林夏さんが描く「川越人足(かわごしにんそく)」です。かわいいんですよ、これ。おじさんがかわいい。ぜひ、お手に取ってしみじみと眺めてみてください。いろんなものが見つかると思います。隠し文字があるそうですよ(コソコソ)
川越人足は、架橋を禁止された大井川を渡るために活躍した人たち。もともと島田市は、大井川を渡るために足止めされた旅人たちが滞在した宿場町として栄えました。この旅人たちを輦台(れんだい)に乗せて運んでいたのが、川越人足です。このあたりについて、詳しくは島田市博物館へ。
きもの処 こんけい
さて、この手ぬぐいを一緒に作ってくれたのが、島田市役所からすぐ近くにお店がある「きもの処 こんけい」の石野さん。イッケイケのちょい悪オヤジにしか見えませんが、きものに関してはガチです。きものガチ勢。
「こんけい」は1926年創業。石野さんで三代目だそうです。染め物、呉服、小売りなど着物に関することは何でもござれの「京染悉皆業(きょうぞめしっかいぎょう)」です。
悉皆とは、「ことごとく、みな」と書くように、着物のことは何でも、という意味。着物を作るところから始まり、シミ落とし、洗い張り、染め直し、寸法直しなどのお手入れ全て請け負いますよ、というもの。これ本当にすごくて、それぞれ違う技術なので、全部を請け負える職人さんは限られています。でも着物のことならなんでも解決、のほうがお願いするときラクですよね。いわゆるワンストップサービス。この人にお願いしておけば間違いない、というきものプロデューサー。きものP。
昔は各家庭にかかりつけ呉服屋みたいなのがあって、毎月いくら、という決まったお金(月賦)を払って、お通い帳をつけて、着物を買っていたんだそうです。ローン組んでた、みたいなものでしょうか。ですが、普段着が洋装になるにつれ、そういう文化も廃れてしまいました。
こんけいも、時代に合わせて変わるファッションに対応していきました。きものガチ勢の石野さん、実はハワイが大好き。アロハシャツならぬ、和ろは(わろは)シャツを作りました。アロハへの愛と和服への愛が高じすぎて出来たこの和ろはシャツは、新品の正絹を使いながらもビンテージスタイルにめちゃくちゃこだわっていて、石野さん自分で自分のために作ったんだろうな…と思いながら熱く語る石野さんを眺めておりました。ぜひ、お店で熱い語りを聞いてみてください。
さて、良い商品ができましたので、せっかくだから販売開始イベントも盛大にやりますよ~!!そのあたりを次回、ご紹介します!